長崎県佐世保市からぐんぐん山を登っていくと
山暖簾(やまのれん)」という公共のお宿があります。
設計者は黒川紀章さん。
黒川さんといえば、円錐形の鋭い印象や
メカニックな印象があったのですが、
この山暖簾は、ひと味違いました。
天井を支える柱は、クアラルンプール新国際空港のようで
黒川さんっぽいのですが、この「山暖簾」には、新たに
オォー! と フフーン!
があります。
オォー!は、入り口を入った時。
突き出たテラスから見る、向かいの山が迫力あるんです。
谷のある山の斜面に建てられているので、
突き出たテラスの先に立つと
ふわぁ~っと体が浮いている気分、
大海を泳ぐ小魚になった気分です。
(・・・山を見て、小魚と連想するのはヘン?ですが、
ダイバーの私は、そう感じたのです!)
フフーン!は、「山暖簾」という名前の由来。
向かい立つ山の端が緑の「のれん」のようなのです。
でも、正確にはそれが由来なのかは分かりません。
「山暖簾」のHPにもパンフレットにもどこにも名前の由来は書いてありません。
推理小説の犯人が自分だけ分かったみたいな気分です。
これも黒川さんの演出なのかなぁと、ニヤリ。
今まで、自然に馴染む建築を見てましたが、
自然をここまで生かした建築を見たことがなかったので
新たな発見と感動をくれたお宿でした。